資料ダウンロードはこちら お問い合わせはこちら

新規事業開発ガイド:プロトタイピングを活用し、不確実性を味方にする方法

公開日:2025/10/06

エナメディア編集部

エナメディア編集部

※本記事は新規事業開発に関する情報をまとめたものであり、弊社のコンサルティングにおいて必ずしも同様の内容をご提案するとは限りません。あくまで参考情報の一つとしてご覧ください。

「アイデアはあるけれど、社内でどう説明すればいいか分からない」

「資料だけ作っても上層部の理解が得られない」

「本当に顧客が使ってくれるのかを確かめる方法が分からない」

こうした悩みは、新規事業担当者にとってごく自然なものです。既存事業とは異なり、正解が定まらない新規事業の立ち上げでは、机上の計画だけでは前に進みにくいのが実情です。そこで有効なのが「プロトタイピング」というアプローチです。

プロトタイピングは、完成品をいきなり作るのではなく、最小限のモデルや試作品を用意し、顧客や関係者と早い段階で検証を重ねるプロセスです。本記事では、新規事業におけるプロトタイピングの意味、進め方、そして実務に落とし込むポイントを整理していきます。

プロトタイピングの目的は「正解を作ること」ではない

プロトタイピングと聞くと、製品の完成版に近い試作品を作るイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし新規事業においては、必ずしも精巧なものを作る必要はありません。重要なのは、「この仮説は正しいかどうか」を早期に検証することです。

例えば、顧客が本当に必要としているのは「アプリ」そのものなのか、それとも「問い合わせがすぐに解決される仕組み」なのか。紙のモックや簡易的な画面イメージだけでも、ユーザーの反応を見れば仮説の妥当性を確認できます。

新規事業でプロトタイピングを活用するメリット

プロトタイピングを取り入れることで得られる利点は大きく3つあります。

  1. 検証スピードの向上

 資料ベースで議論するよりも、具体的な形を見せた方が判断が速い。

  1. 社内外の合意形成がしやすくなる

 抽象的な説明より、実物イメージの方が上層部や顧客の理解を得やすい。

  1. 失敗のコストを最小化できる

 大きな投資をする前に小さく試すことで、方向性の誤りを早期に修正できる。

このように、プロトタイピングは「作ること」よりも「確かめること」に重きを置く点が特徴です。

実務で使えるプロトタイピング事例

理解を深めやすいように、代表的なプロトタイピングの事例をいくつか挙げます。

  • 紙モックによるUX検証

新しい業務支援アプリを企画したチームが、実際の画面遷移を紙に描いて顧客に見せたケース。顧客がどこで迷うかを観察し、機能設計を大幅に見直すことができました。

  • ノーコードツールでの仮想サービス提供

EC関連の新規事業では、ノーコードで簡単なLPを作り、仮の申込フォームを設置。実際にどれだけの顧客が関心を持つかを数値で把握し、事業計画の根拠としました。

  • 社内テストによる検証

外部顧客に出す前に、まず社内メンバー10名に限定公開。短期間でフィードバックを集め、最初のつまずきを早期に潰したことで、本番リリース後のクレームを最小化しました。

これらはいずれも「完璧な試作品」を作る必要はなく、検証に必要な最小限の形でスタートしています。

プロトタイピングはどのように進めればよいか

プロトタイピングは、段階を踏んで進めるとスムーズです。

  1. 検証したい仮説を明確にする

 「この機能があれば顧客は使いたいと思うか?」といった問いを設定する。

  1. 最小限の形に落とし込む

 紙のスケッチ、スライド資料、ノーコードツールなど、必要最低限の形式でよい。

  1. 実際に顧客や関係者に見せる

 短時間でも構わないので、反応を引き出す。

  1. 学びを整理し、次の仮説につなげる

 「どこに共感があったか」「どこに違和感があったか」を明確にして次に活かす。

このサイクルを繰り返すことで、机上の議論よりもはるかに早く精度を高められます。

注意すべき落とし穴

一方で、プロトタイピングにも注意点があります。

それは「作ること自体が目的化してしまう」ことです。

完成度を高めることに時間やリソースをかけすぎると、本来の目的である検証が後回しになります。

あくまで「顧客や関係者から学びを得るための道具」として割り切る姿勢が大切です。

まとめ:プロトタイピングは、新規事業を前進させる対話のツール

新規事業の立ち上げにおいて、プロトタイピングは正解を見つける方法ではなく、不確実な中で次の一歩を見つける方法です。

小さな形でもよいので早く作り、早く見せ、早く学ぶ。この姿勢が結果的に事業を加速させます。

エナジャイズでは、新規事業担当者がプロトタイピングを取り入れやすくするための検証設計や社内共有の支援も行っています。

アイデアをどう形にし、どう学びにつなげるかに悩まれた際は、ぜひご相談ください。

販売戦略の立て方に不安がある方や、新規事業の進め方でお悩みの方へ——

エナジャイズでは、貴社の状況に合わせた実践的なサポートを行っております。

新規事業開発のご相談は、どうぞお気軽にエナジャイズまでご連絡ください。

60分無料カウンセリングを承ります!

こんな方はぜひお気軽にご相談ください!

顧客ニーズの汲み取り方がわからない

顧客検証の方法がわからない、手が回らない

アポが取れない、営業に苦手意識がある

私が対応します!

株式会社エナジャイズ代表取締役岡崎 史

プロフィール 大学卒業後、大手飲料グループを経て、40事業を超える新規事業の立ち上げを経験。その経験を活かし、2022年、PMFと顧客開拓を同時に実現する『PMFプログラム』を開発。
徹底的に顧客視点に立つ独自の手法で、年間2,000社の新規商談を生み出すなど新規事業推進のスペシャリスト。
大企業を中心に伴走支援、研修、講演等実績多数。

PMFプログラム

プロダクトが完成しても、すぐに売れる状態とは限りません。
エナジャイズのPMFプログラムは、顧客ヒアリング・MVP改善・提案プロセス構築・テストセールスなどを通じ、営業の勝ち筋をつくる“売れる状態”を体系的に構築します。
PMF未達のまま営業を増やす“水漏れ状態”を解消し、再現性ある営業モデルへ進化。
事業をスケール可能な状態に導きます。

PMFサーベイ

自社プロダクトがどの程度市場に合っているのかを可視化するのがPMFサーベイです。
エナジャイズがターゲット企業へのアポイント・商談を代行し、顧客の声を独自手法で収集・分析。
PMF達成度をスコア化し、強み・課題・改善ポイントを明確化します。
現在地を正しく把握することで、最短でPMF達成・事業収益化へ向かうための打ち手が明確になります。

新規事業研修・人材育成

新規事業の成功は「人材の質」に大きく左右されます。
エナジャイズの研修は、知識習得だけでなく“顧客理解を軸に意思決定できる人材”を育てる実践型プログラムです。
課題発見力、仮説検証力、事業推進力を体系的に習得し、組織全体の新規事業推進力を底上げします。
アイデアを価値へと変える人材を育成し、企業のイノベーションを加速させます。

PoCパートナー開拓

PoCの成果を左右するのは「誰と組むか」です。
しかし、パートナー候補の選定やアプローチ、交渉には多大な工数がかかります。
エナジャイズは、PoCの目的設計から最適パートナーの選定、商談・交渉まで一連のプロセスを代行・伴走。
BtoB新規事業に特化した知見で、単発の実証に終わらない“事業化につながるPoC”の実現をサポートします。

ビジネスモデリング

技術起点の事業は強みを活かしやすい一方、プロダクトアウトになりやすい課題があります。
エナジャイズは、技術の価値を正しく市場に接続するために顧客検証を基盤としたビジネスモデリングを実施。
顧客課題の構造化、価値仮説の整理、提供価値の再設計を通じ、技術の可能性を“売れる事業”へと昇華します。成功確度の高い事業企画を構築します。

顧客検証

新規事業の多くが失敗する要因は、顧客理解の不足です。
エナジャイズでは、仮説設計から質問設計、ターゲット開拓、インタビュー実施、分析までを一気通貫で支援します。
単なるヒアリングではなく、洞察を得て次の打ち手に落とし込む“実践的な顧客検証”を実施。
生きた顧客の声を基に、事業の方向性を確実に見定め、成功確度の高い事業開発を実現します。

エナジャイズとは?